ランカスター

2015年の9月頃だから、1年と少し前のこと。20年以上前からヒゲを剃るのは電動シェーバーだったのに、何を思ってかカートリッジ式のカミソリを使い始めたのだ。生活習慣については保守的なわたしである。わざわざ面倒くさくなるカミソリに今頃になって乗り換える理由が自分でもわからなかったが、なんとなく好奇心が抑えられないので、カミソリを使い始めた。ビジネスホテルにある簡易的なカミソリだと切れ味があまりよくないのだが、ちゃんとしたカミソリを使うと思ったより剃り残しもなく、爽快感があった。それ以来、カミソリがメインになり、電動はサブ的な扱いになった。

なんで今頃カミソリなんだろうねえ、とマイティさんと話していると、マイティさんにヴィジョンが入ってきた。どうもわたしの守護霊さんに軍服を来たパイロットの人がいるらしいのである。理髪店のような革砥で、しゃっ、しゃっと、カミソリを砥いでいる、ちょっとおしゃれさんな感じの軍人パイロットらしいのだ。メインで担当する守護霊さんの癖を、守護・指導されている側の人間が影響されて同じ癖を持ったりする、という話は聞いたことがある。途中で守護霊が交代したりすると、当然、それまでとは違う守護霊さんになるわけだから、異なる習慣が守護される側の人間にも影響として出てくることもあり得るだろう。

同じ頃、ふと気がつくと、youtubeの動画で、戦闘機のコックピット映像や、フライトシミュレーターの映像をぼんやり見ていることが増えていた。日本でももうすぐ実戦配備され始めるF-35をかっこいいなあと思って眺めていたのもその頃だ。それまでのわたしは別に航空ファンではなかった。飛行機に乗るのはマイティさんと違ってわたしは好きなのだが、ことさら動画で戦闘機の映像を見るほどのファンではなかったはずだった。マイティさんの指摘を受けて、その頃、急に始まった習慣や好みがいくつかつながって、不思議な気分になった。ともかく、よろしくお願いします、と後ろの方に挨拶したものだった。

時期は最近に戻る。先月半ばに始まったナチ・ホロコースト集中月間。特にジェノサイド、大量虐殺について、パイロットの守護霊さんが、なんらかの関係があるのではないかとまたマイティさんが指摘してくれた。その時、マイティさんの脳裏に唐突に浮かんだのが「ランカスター」という言葉だった。

ランカスターといえば、イギリスの州だったはず。後ろの軍人パイロットの守護霊さんとなにか関係があるのだろうか。感覚的には、アメリカの軍人でもないし、ドイツの軍人でもないだろうなあ、とはいってもイギリス軍人という確信があるわけでもないが、強いていえばイギリスの軍人さんかなあぐらいのぼんやりした感触だった。守護霊さんは、ランカスター出身の人なのだろうか。

なにかヒントが得られるかも知れないと、「ランカスター」という言葉で検索した。検索の一番上に来たのは、イギリスの州に関するサイトではなく、「アブロ・ランカスター」という言葉だった。そのサイトをひらいてみた。アブロ ランカスター。第二次大戦中の1942年、イギリス空軍が実戦投入した、重爆撃機だった。特にドイツに対する夜間の戦略爆撃で活躍した、とある。マイティさんは自分で言っておきながら、それを聞いて鳥肌を立てていた。わたしも「ひえー」って思った。当然のことながら、わたしもマイティさんも、当時「ランカスター」という重爆撃機が存在していたなんて全く知らない。

というわけで、わたしの守護霊さんは、イギリス空軍で、重爆撃機の乗組員だったかもしれないということになる。ただわたしは、パイロットに憧れはあっても、パイロットとして活動した感触はないなあと思ってもいた。ここの写真を見ていて思ったのだが、もちろんたんなる感触にすぎないけれど、たぶん守護霊さんは、パイロットじゃなくて、航空機関士だったんじゃないのかなと思った。なんとなくそちらのほうが愛着がある気がする。これである。

しかしこの重爆撃機と、ジェノサイドとどう関係があるのだろうとまた疑問になった。空爆をする側だから、たしかに人は殺すだろうけれど、それは軍事作戦であって、ジェノサイドとまでは言えないだろう、と。

ところがアブロ・ランカスターのwikiを調べていたら、このランカスターの参加したドイツへの爆撃に、ドレスデン爆撃という有名な爆撃があった。当時ドレスデンは、米・英連合軍がドイツを追い詰める上で、戦略的重要性の低い都市として認識されていた。そのため、ドイツ側もドレスデンに配置していた高射砲(航空機を地上から迎撃するための兵器)を、別の空襲が予想される都市へと移動して、ドレスデンは軍事的にほぼ丸腰になっていたくらいだというのだ。

しかし米・英連合軍は、このドレスデンへの爆撃を実行した。この都市は歴史のある非常に美しいところで、ドイツ側も、さすがに連合軍だって都市まるごと歴史的遺産のドレスデンを爆撃するはずはないだろうとたかをくくっていた。このような背景もあって、ドレスデンにはドイツ各地から一種の疎開地として人が流れ込んできていたこともあったらしい。しかし、空襲は起こった。

つまり、わたしの守護霊さんは、ランカスターに乗り込み、ドレスデン爆撃か、あるいは別の爆撃において、それをジェノサイド的だと認識して葛藤した経験があったのではないか、という推測を働かせることができた。組織のため、祖国のため、正しいと信じた行動をしたのだが、果たしてその行動はほんとうに正しかったのか、というわたしのカルマ的モチーフが、ここにきてまた登場するのである。

蒼い本では「守護霊」というコンセプトは出てこない。「聖霊」ともかなりニュアンスが違う。でも、いてもいいし、いるだろうなとも思う。軍人パイロットの守護霊さんがわたしの前世だという感じはあまりしないが、守護霊さんだって何らかの縁のある方だろう。魂的に似たような傾向や体験をもっているから、わたしのことを指導・サポートしやすかったりするのかもしれない。それに蒼い本にも『私が癒やされるとき、私ひとりが癒やされるのではない(L137)』とある。きっと守護霊さんもわたしと一緒に癒されるのだ。赦しの道のりは、人間の仲間もいれば、目に見えない次元での仲間もいて、きっと自分で考えるよりも大所帯のプロジェクトなんだと思うと、心強い気がする。

『 そして自分自身が癒されるままにするとき、周囲の人々も、心に思い浮かぶ人々も、あなたが接する人々も、何の接触もないように見える人々も、すべて自分とともに癒されることがわかるだろう。癒やしの到来を受け入れるとき、あなたはそうした人々のすべてを認識することはないかもしれないし、自分が全世界にどれほど大きなものを差し出しているのか実感できないかもしれない。しかし、あなたは決してひとりだけで癒されるのではない。あなたが癒やされるとき、あなたが受け取る贈り物を、数限りない人々が受け取るだろう。(奇跡講座 ワークブック編 P312)』

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